ゆりのき保育園 上棟。
ゆりのき保育園の現場進捗状況です。
精度抜群の腰壁兼基礎が出来上がった次に「あずまや」の骨格となる木造の建て方が始まりました。園舎の中央にある中庭となる部分にやぐらの様な先行足場が出来ていて何かお祭りが始まるのか?という雰囲気が出てました。
土台なしの腰壁基礎へ柱を建てていきますが、柱の長さは1.2mという長さです。私史上初の短さ。
柱と梁の接合部は、柱に先付けされたプレート金物の工法と木材の中に差し込んだボルト金物へ樹脂を注入して固める工法の2種類を併用した構造となっています。プレート金物の接合部はドリフトピンという金属の棒を木材に打ち込んでいき、樹脂は小さな穴から注入し固化させていきます。
柱脚もベースプレートへ仕込まれたボルト金物を木柱へ差し込み、ここへ樹脂を注入です。ストローの様な部分から注入して木材の中を充填します。
一般的に木造は耐力壁(筋交いなど)が必要な構造ですが、これらの接合をすることで柱と梁だけで屋根を支えることが実現できる設計をしております。
建て方は1週間ほどの日数を要して徐々に建て込みが進んでいきます。
ロフト階の剛床(水平力を負担する床構造)が出来たところ。
こちらは隅木に取り付けられたプレート金物。立体的に斜めに傾いている部分へ斜めから取り合う材を接合する部分です。設計段階から3次元モデルを使った解析でディテールを検討してできたものです。出来上がった部材をみるとなんてことありませんが、バーチャルの検討は意外と大変でした。
おおよそ建て方が終わり屋根のルーフィング(防水)まで完了したところです。
現在はやぐらの足場で薄暗い状態ですが、完成時には程よい明るさの内部の様な外部の庭が中央に表れて不思議な空間になると思います。今後は内外装工事へと進んでいきますが、木造の柱・梁などはほぼ化粧で現しとなるため、施工チームと細かな納まり検討をしっかり行っていきたいと思います。
佐野