床版の節
本計画は、静岡県浜松市内にて金属系資源をリサイクルさせる企業の新社屋改築の計画です。
敷地は市街南部に位置し沿岸に近いことから、浸水や津波などの災害から安心して勤めることが出来る環境づくりが建築主の希望でした。都市計画法では市街化調整区域に指定されており10mの高さ制限があることから『津波避難ビル』として開発審査会の許可を得て高さ制限を緩和し、地域の避難場所の役割も兼ねた施設の計画を行いました。
津波避難ビルの設置基準である「鉄筋コンクリート造」「3階建以上」「新耐震基準」の3つを満足させ、そこへ企業理念である資源のリサイクルをテーマに掲げました。再利用可能な打放し型枠3×6版(900mm×1800mm)を縦に2枚分を階高の基本とし、4階建ての屋上パラペット天端まで含め17.4mの高さを確保しています。塔のような鉄筋コンクリート造の躯体へ節目状に1.8mのはね出しバルコニーを周囲に設け、そこへ南北交互に階段を設置をして螺旋状に屋上まで誘導させる非難動線を確保しています。