
三枚の片流れ
静岡県磐田市内に計画している、夫婦と子どもの家族4人のための住宅です。
この住宅は、3つの異なる高さのボリュームが連続的に配置され、深く伸びる軒下空間が特徴です。周囲の環境を緩やかに取り込みながら、内と外が曖昧に繋がる空間となっています。深い軒は夏の強い日差しを遮りつつ、冬の暖かい日差しを室内に取り込むことで、一年を通して快適な居住空間を実現しました。
異なる高さのボリュームが構成することで生まれるスキップフロアのような空間は、視覚的な変化と奥行きを与え、住まう人に多様な居場所を提供します。各ボリュームの間に配置された開口部や庭は、プライバシーを守りながらも開放感を提供し、光と影による陰影によって質感の高い空間をつくりだしています。
住まい全体が軒下空間の半屋外的な場所として、季節の移ろいを肌で感じながら過ごせる、多様なアクティビティを受け入れるものとなっています。
都市の喧騒から離れ、自然との一体感を求める現代の暮らしにおいて、この住宅はただ住むだけでなく、日々の生活の中で自然の恩恵を享受し、心豊かな時間を育む場所となるでしょう。光と風、そして自然素材が織りなす、洗練された空間の中で、家族の絆を深め、穏やかな日々を送る。そんな「自然と共生する豊かな暮らし」を提案する住宅です。