タイル。
外壁タイルの全面改修を計画している浜松市福祉交流センターは、独特な艶と光沢の表情を持つラスタータイルが貼られています。
(全面改修と言っても悪い部分だけです。)
最近はタイルそのものの種類がかなり減ってきていることもあって、数年前に数種類あったラスタータイルは今や殆ど見かけません。
100種類以上のラインナップのある大手メーカーのLIXILや名古屋モザイクなどでもたったの1種類のみなんですね。
こちらは、LIXILの唯一残された現行ラスタータイルです。
タイルの見本帳右下が、福祉交流センターの実物ラスタータイルです。
現在特注で色合わせをした見本焼きを製作しておりますが、実際の工事で発注すると製作期間が通常約3ヶ月掛る上に、コストも莫大なものになってしまいます。
現行のラスタータイルで代用出来れば、在庫品があるので期間も費用もおさえられるのですが、現行モノで代用するにはあまりにも違いが大きいのではと..
光沢や色の深みが現行とは比べ物にならないほど表情豊かです。
何でも規格化され安定して大量生産出来るようになった、現代の建材ではやはりこの質感は出せないのかも知れませんね。
とにかく貼りかえれば良い、という事ではないと思いますので、LIXILの見本焼きに加え名古屋モザイクのラスタータイルも見本版を取り寄せてみようか..
多くの市民が利用する市立のホールが、色違いのつぎはぎになってしまったら、それはとても残念です。
税金を使って改修するなら、美しくすべきではないでしょうか。(まぁ予算とのバランスですが..)
しかし、材料から全て手作りということが中々難しい現代、過去にあった良い材料は無かったり、逆に規格化された新建材を使わないということは避けられない気がします。
住宅などで新建材を採用したとしても、人が造り手を加えた跡が残る様な材料や仕上げ方が出来たら良いのではと思いますね。
佐野