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模型製作。

新プロジェクト提案用の模型製作の様子です。

所員一人ひとりが複数の案件を担当しておりますので、各物件を同時に進めるべく学校の授業の様に時間割をしましょうと各自に伝えております。しかしその時間割の枠を超えてしまい皆が手一杯状態が常ということで、いよいよ私も物件担当者の“下”でノルマを課せられた作業要員に駆り出されるハメに…。

例のごとく夜な夜な模型のパーツ切り出しなど同じものの部材が数百個あったり中々痺れました。ですが、もともと模型も図面もパースも作るのは大好きなので、やり始めると止まらない。いかに早く精度の高いものが出来るか、先ずは切り出しのための工場設営から試行錯誤。そして切り出したパーツを組み立てるための仮設計画など行い工期短縮と品質確保の実現を目指す。こうやって模型を早く美しく作るための環境や準備など、本当に工事そのものだなと実感しました。やはり設計図、施工図、施工計画、材料承認、有資格者の施工等々、大事なんですね。


仮組をした状態の確認、仮組検査たるもの。問題なく出来ていることが分かり苦労が報われつつ、立体になるとワクワクしてきました。実際の建築になるのが楽しみです。なお、久しぶりに模型づくりしたら老眼が始まっていることに気づき動揺を隠せない私。

佐野

Posted on
Mar 12, 2024 at 9:17 PM
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sano

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大池の家 実施設計。

静岡県掛川市内に計画している住まいの大池の家の実施設計が終盤に差し掛かっています。

この段階になってやっと当初から考えていたディテール(細部の設計)の図面化がされてきます。私は図面で最も重要なのは、配置図、平面図(平断面展開図)と矩計図(断面展開図)と天井伏図(天井平断面展開図)だと考えています。何故ならば建築のほぼ全てがその図面で決まるからです。なお平断面展開図などの図面名は私が勝手に付けているものですが、各図面は全て断面図と捉えその奥行きがどのように続いているのかを展開させることで上下左右の立体がよく分かりコントロールができます。

それらの図面は設備機器も含め有るべきものは全て実寸で、存在するものは全て忠実に描き込み、物体を記号的に表現しないことにしています。そうすることで、設計の状況を理解することが出来るし、良い設計が出来ているかの判断も可能になります。上記以外の図面は乱暴に言えば、結果に過ぎないかもしれません。


そして図面は、CADで描く前に設計コンセプトの実現に必要であるディテールについての思考検討と手書きのスケッチ図(原寸か2分の1の縮尺)が不可欠です。「始まり」である建築の全体構成を司るコンセプトと「終わり」であるディテールは、ほぼ同時に検討を行います。

ただし初めに考えたディテールが、実施設計で図面化されてくるのは一番最後でその図が明確に決まってくると、それまでふわふわしていた想像が一気に現実につながる感じがします。しかし図面を起こせばディテールの見直しも多々あり、それは建築全体に影響が出るためその都度関係する図面の修正を行いますし、当然ながら図面チェックは少なくとも数回は行うため、図面の完成間際が最も根気が要ります。

建築の本質と関係なさそうな線の強弱や色付けやハッチングや影付けなどの作図表現も同時にチェックをします。他者からみたら無駄な労力に思われるかもしれませんが、そういう図面には力が宿ると信じております。

平日はなかなか時間が取れないので静かな週末に夜な夜な図面チェックを行うのですが、設計をしていてこれが最も楽しい。

佐野

Posted on
Mar 05, 2024 at 3:19 PM
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sano

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楊子の家 足場バラシ前検査。

川沿いの敷地に計画している楊子の家の工事進捗状況です。

屋根・外壁、その他の外装や設備機器の取付などが済み、足場の撤去が出来る段階になりました。足場バラシの前に、外部の状態を全てチェックしました。

上から順にということで、先ずは屋根。傷や施工忘れ部分など無いか隅々まで目視します。

屋根面は特に問題なく綺麗な状態。

ケラバの棟包み部、問題なく納まってます。

唐草水切りや野地板と外壁の役物取合いも良好。通気層内で止水処理もしっかりしてあります。

樋持ち金物はブラックに先行塗装、それを屋根を葺く前に野地板上面に取りつけ、その後ルーフィング敷きして唐草水切りを設置してあります。通常なら樋は最後ですが、楊子の家では初めに仕込んであります。(屋根の軒の薄さが理由です)

3階建ての建物の場合、非常用進入口(代替進入口としています)が必要となりますが、設計の主旨としてはファサードに不要な開口部だったため外壁の一部と化すように処理している部分です。

手摺がある部分も板金を切り欠いて分割せずに納めている部分。簡単なようでとてもシビアな施工ですが、板金職人のJさんからの提案で美しく仕上がっています。しっかりシールポケットの寸法も確保されてます。

外壁に合わせたブラックのアンテナ。

同色塗装したベントキャップ(排気フード)と外壁の取り合いは波波のシーリング。

屋根を柱が貫通する部分の雨仕舞は4重の止水処理で完璧です。

コ型に連続した開口部、ガルバリウム鋼板とアルミサッシの部材の切り替えやシーリング色分けなど細部まで指示した通りに施工済み。施工中は迷ったら安全をみて手を止め、職人さんから確認がくるほどお気遣いいただきました。しかも設計側から指定したシーリング色が微妙に薄いのではないかとシーリング施工開始直後に意見を頂き、ご指摘の通りだったため急遽色を変更したりと本当に感謝です。

大きめにオーバーハングした外壁の水切り。竪樋が通る部分は欠き込み加工を。

一通りチェックをしましたが、。施工段階ごとに細やかに確認をしてありましたので指摘は無し。無事足場解体へ進めることが出来ます。完成まであと僅かなので、引き続きしっかり監理を行っていきます。

佐野

Posted on
Feb 29, 2024 at 8:47 PM
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Author
sano