先日、打合せで磐田市にあるスズキコーヒー焙煎所さんを利用させて頂きました。
初めての利用だったのですが、とても素敵なお店でした。
（設計は浜松のアトリエ樫さん）

店内は低く抑えられた天井、ラワン合板で統一された内装でシックな設えです。
外の光を絞り、程よい薄暗さで落ち着いた空間。
手前にマウターが居るカウンター席、奥にテーブル席、更に奥には書斎を想像させるカウンター席が用意されています。

目を引いたのがカウンター席とテーブル席を隔てるラワン合板のフレーム。
大量の本を見せるかたちで収納しつつ、丁度良い抜け感のある仕切りです。
置かれている本も、品とセンスのあるものばかり。

今回は、2人での利用だったのでテーブル席にしましたが、一人で静かに読書やパソコンを使用しながらコーヒーを楽しめる、そんな心地良いお店に感じました。
流行のカフェとは異なる隠れ家的場所でコーヒーもとても美味しく、誰かに教えたいけど誰にも教えたくない矛盾した気持ちです。

そして私にもこんな大人な設計が出来たらなと感じる次第です..

佐野

住宅の設計のご依頼を頂くと計画地が更地という場合もあれば、既存の建物が建っている場合もあります。
既存建物があるときは、築年数でいうと40年前後かそれ以上が多いでしょうか。
今ある物を活かしてリノベーションという方法も有りますが、解体して新築するということになります。

一方、私が暮している家はまさに築40年位になりまして、色々な箇所で痛みが見受けられます。
そして現在、瓦屋根の絶賛補修工事中です。

40年前に焼いて造った瓦になりますが、当時瓦を焼く窯が新しく増設されたばかりらしく、焼き加減の調整が微妙だったとの事。
その為か30年を過ぎたあたりから瓦の表層が割れ初めてきました。

割れ始めた瓦もかなり広範囲になってきたため、やむなく全面補修に。
ついでに外壁の塗装も行います。

設計を生業としている者としては「いつか自邸の新築設計を」と夢見たりしますが、まだ暫くは生まれ育った家と共に歩んでいきたいと思います。

佐野

7月末に上棟した鴨江の家の現場は、外壁の防水やサッシ取付、屋根葺き工事を進めております。
ここ最近のゲリラ豪雨的な状況で作業を中断しなければいけない事があります。
この日も急に雨が降り出した為、職人さんが軒下で雨宿り中。

敷地全体を覆う大きな軒が特徴なのですが、職人さんのホッと一息ついた背中を見て何か癒された気がします。
そして私自身「軒」というものが好きなのだと再認識しました。

外も中も含め大らかな覆いでゆったりと過ごせる場所になって欲しいと願います。

佐野