昨日、静岡県建築士事務所協会の創立50周年記念講演「建築と地域性が紡ぎ出すもの 妹島和世 + 西沢立衛/SANAA」へ出席してきました。当日の会場は500人を超えるものでその期待の大きさが表れていたと思います。静岡県内においてSANAAの御二方が揃ってともなると早々あるチャンスではないので、私たちの事務所も全員で出席しました。
建築と地域性が紡ぎだすものというテーマから幾つかのプロジェクトの説明があり、設計するプロセスが街全体と建築を一体的に捉えていることが印象的でした。
私達は、今年の1月に弊社の海外研修旅行にてフランスのルーブル・ランス(2012年SANAA)へ訪れたばかり。ルーブル・ランスについてのお話を御二方から直接聞き、また自らの体験を照らし合せることが出来たのでとても有意義なものになったと思います。
パリからTGV(新幹線)に乗り1時間程北へ行った街、ランス。ベルギーにほど近い位置にあるかつて炭鉱で栄えた街です。そんな地方に出来たルーブル美術館の別館であるルーブル・ランスは、とても透明感のある建築でした。
エントランス付近、正面ファサード。
アルミパネルの外壁は鈍く景色を映し出し、風景と一体になっています。曇り空というコンディションはむしろかなり良かったと思います。
アルミのハコとガラスのハコ。
エントランスホール。
こちらもエントランスホール。
ここがメインの展示空間。手前から奥に向かって美術品が時代毎の時系列に並べられている面白い展示です。
最初は彫刻がメインですが、段々と絵画に変わっていったり..
横の壁には西暦が表示され、自分が今いつの時代に立っているのかがわかります。大昔に創られた作品が現代に受け継がれ、今日という日の自然光を使うこと、そしてそれを鑑賞する私達。そんな説明を聞いたことで私達にも繋がっているんだという気持ちになりました。
こちら地下へ降りるエレベーター。
ミュージアムカフェ。せっかくなので昼食で利用しました。
ミュージアムの全体構成。雁行(ジグザグ)のハコが繋がったようなかたちです。
SANAAは静岡市歴史文化施設の設計中で、現在は基本設計を終えてこれから実施設計に入るそうです。静岡市ならではの歴史的・文化的な価値と魅力を発信し、賑わいと豊かさを創出する場所となることを期待しています。
佐野