Shizuoka Design Award 2023 クアドラプル受賞。
この度、(一社)静岡県建築士事務所協会が主催する第2回『Shizuoka Design Award 建築賞2023』の住宅部門と一般部門A(延面1,000㎡未満)にて、SN Design Architectsで設計・監理をさせていただきました『美薗の家』と『ゆりのき保育園』が “入賞” を、『権現谷の家』と『さなるこ保育園』が “奨励賞” をいただくことができ、合わせて4つというクアドラプル受賞となりました。
対象の静岡県内から応募された多数の作品から審査委員長である建築家 保坂 猛さんに高い評価をいただき非常に嬉しく思います。また前回を超える4作品もの受賞は弊社だけということで喜びもひとしおです。御施主様並びにお力添えいただきました関係者の皆様には深く感謝申し上げます。
これを励みにさらに良い建築づくりを目指して一層精進したいと思います。
■美薗の家 [住宅部門 入賞]
[講評]
道路から見ると切妻型が外装や軒の研ぎ澄まされたコントロールもあいまってワンランク上のシンプルな佇まいだ。その手前の植栽、車のスペースの屋根下ヴォイド、その奥の庭にコントロールされた視線が抜け少しだけ抜ける。無理のない丁寧な仕事の積み重ねにも一見みえなくもないが、現地でよく見ていると随所にここまではできるという確信に裏付けられた大胆さがいくつも仕込まれている。とてもシンプルなようでいて、実は市松状に配された外空間とヴォリュームの取り合いや、それらを関係づける各所の開口部、手すり、カウンター、土間などどれも普通ではない質の高い仕事であった。庭から見る立面はそれらが集結しつつプロポーションまで良く稀に見るような立面であり、この立面に面して佇むかのようにお施主さんが2階ブリッジのワークカウンターで仕事をし、猫は土間に面して窓を見ていた情景が混ざり合っていて素晴らしかった。
■ゆりのき保育園 [一般部門A 入賞]
[講評]
中庭が重要な建築を、雨の日の午後に見ることとなり心配であったが、むしろ予想を超えて素晴らしかった。応募資料の写真と図面ではこの中庭は少し狭いかもしれないと思ったが、その中にたくましい庭(土の起伏、複数の石、何本もの樹木)があり、設計者はこの場所を狭いとは考えておらず、実面積を超えてたくましい場所が内包されていた。その周りには一見通路のような舗装面が四角く囲っているのだが、これも通路というよりも子どもたちがぐるぐる走ったり、戯れたりして全くスペースの幅の狭さのようなものを誰も問題に感じてはいなかった。何より、雨が降っていたが十分な庇により雨がかからないスペースを中庭にぐるりと形成しつつ、真ん中に雨を降らせていたのだった。ほとんど四角いパンテオンというイメージをもった。パンテオンは純粋な祈りの空間であり、保育園の中庭もなにか子供たちの純粋さがこの場所の空気を見たし、そこに雨や風、光が注ぎたいへん豊かな空間が実現していて素晴らしかった。この空間を原風景として育っていく子どもたちへの影響と意義は計り知れない。
■権現谷の家 [住宅部門 奨励賞]
■さなるこ保育園 [一般部門A 奨励賞]